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オリジナル小説

無料オリジナル小説 ボラ魂2ー7

少しだけだが、真面目に考えてみよう。

 そんな風に思った事を、真子は後悔した。

 木、金曜日と実の勧誘は、当然のように続いた。ただ、柚菜から忠告を受けたらしい。公での勧誘はなくなった。でも、その分ウザさは倍増。真子が一人になると、必ずどこからか現れて勧誘を迫るのだ。さすがにトイレに来た時は、殴って追いだした。

 真子は素直になれない少女だ。そこまで押されると、なんだか無性に反対したくなるのだ。なので断固拒否の姿勢を取り続ける。そして、悪循環のまま土曜日へと至った。

「ふぅ〜、よく寝た〜」

 朝9時。真木家。一階リビング。そこへぐっすり寝た真子。遅めの起床。今日は土曜日だからだ。学校はない。部活もない。やってないから。そして実と会う事もない。まさに自由だった。

「今日はあの変な先輩とも会わないし、気分いい〜」

 解放感から思いっきり欠伸。ちなみに服装はパジャマ姿。ピンクと水玉模様の冬物。髪はまだ一本結びにはされていない。セミロングのストレートな状態だ。

「ん〜。何しよう〜。ち〜こ〜と、どっか行こうかな〜」

 プルルルッ! プルルルッ!

 これからの予定に胸を膨らませていると、玄関の電話が鳴った。リビングにある子機も、プルプルと鳴っている。

「真子〜、いま手が離せないから出て〜」

 居間から母の声。何か取り込み中らしい。真子は小さく唸る。

「うう〜。めんどくさいな〜。どうせ母さんか父さんに用事でしょ〜〜」

「何ぼやいてるのよ〜? ちょっと出るだけでしょ。早くしてね〜」

「はいはい。わかったよ〜」

 渋々頷き、白い子機を取る。通話ボタンを押す。

「はい、もしもし。真木です」

『おっ、真子〜。俺だけどさ〜』

 聞き覚えのある、幼い声だった。

「あれ、この声どこかで」

『ん〜? よく聞こえないぞ? もしもし〜?』

「あっ、すみませんでした。えっと、どなたですか?」

「なんだよ〜。わかんないのかよ〜。ほら金曜日もあっただろ〜」

「え〜っと」

「じゃあヒントやるよ。ボランティア部のジャ煮ーズこと◯◯◯だよ」

 正体がわかった途端、真子は凶悪な笑顔を貼付けて、

「あっ、わかりました〜。椎名先輩ですね〜」

「そうだよ〜。よくわかったな〜。やっぱ俺ってジャ煮ーズっぽいよな〜」

 真子はさらに笑顔を歪めて、

「ええ、全然ぽくないし、もう二度とかけてくんなよ」

  ピッ! ガチャン!!

 真子は乱暴に電話を切り、思いっきり充電器に差し込んだ。苛立ちをぶつけるように。

「ったく。ボランティア部の時点で誰だか解るっての。ってか、なんで家の番号知ってるんだか」

 プルルルッ! プルルルッ!

「真子〜。なんか、また鳴ってるわよ〜」

 居間から母の声。確かに電話は鳴っている。だがこれは十中八九、実からだろう。真子は、母に聞こえるように大声で、

「いや、これは出なくても大丈夫だよっ」

「またそんなこと言って〜。重要な連絡だったらどうするの〜?」

「いやだって〜」

「とにかく出て〜。今忙しいから〜」

「う〜」

 プルルルッ! プルルルッ!

 嫌な予感しかしない。でも出ない訳にはいかない。真子は一度溜め息をして、

「はぁ〜あ。はい、もしもし」

『なんで電話切ったん?』

 やはり実だった。特に怒った様子はない。いつもの柔和な声だ。

「いや、なんかムカついたんで。つい」

『おいおい。俺のジャ煮ーズ具合に嫉妬したんなら謝るからさ。ちゃんと話を聞こうぜ?』

「は〜あ頭痛い……先輩はジャ煮ーズをゴブリンの集落とかと勘違いしてるんですか?」

『それ何げに失礼じゃね? 当然あのイケメン集団の事に決まってるだろ?』

「知ってる上で、そんな大口が叩けるんですね……」

『ああ。俺はクラス一位のジャだったから、みんなにモテまくりで、恥ずかしがって女子は目も合わせられないし、男子はさらにシャイで、何かよく解らんが、隙あらば殴りかかってくるし、とにかく、すごいモテようだったからな!』

「先輩、それイジメられてますよ……」

『えっ、マジで!? そうだったの!?』

「はあ……もういいです。それで何の用ですか?」

『うん。俺も別にこの話は興味ないや。まあ、とりあえずボランティア部入ろうぜ。話はそっからだよ』

「いや、もう入った時点で終わりじゃないですか」

『え? そこがスタートラインだろ?』

「いや終わりですよ。人生の」

『そんなスケールで!? じゃあ、俺ヤバいじゃん!?』

「はい。先輩はもう終わってますから。じゃあそう言う事で」

 真子は無感情に電話を切ろうとする。実は慌てて制止。

『いやっ待てって!? なんでそんな冷たいんだよ?』

「はぁ〜あ、せっかくの休日に、朝から変なモン聞いたからですよ」

『おいおい、酷い言いぐさだな? だって、お前が入っちゃえば済む事なんだぜ? つまり、自業自得みたいな部分もあるんだぜ』

 謎の理論を出す実。それが真子の苛立ちを加速させた。

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マーティー木下@web漫画家
web漫画家です。 両親が詐欺被害に遭い、全てのお金と職を失いました。 3億円分程の資産を失いました。 借金は800万円程あります。 他に会社に再就職して、 親の老後資金と自分の為に 働きながら漫画を描いております。 どうかお力添えをよろしくお願いします。 拡散などをしていただけると非常にありがたいです。
マーティー木下

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いけづらってなんだろ、いけづらってなに。 自称いけづらの浅間愁と周りが繰り広げるぐだぐたコメディ漫画です。 短いページ数ですので、是非気軽にお読みください。

池面ーいけづらーhttps://mkinoshita-home.com/?p=908


小説家になろうにも掲載されている、私が昔書いたライトノベルの紹介です。
オリジナル小説エンジェルゲートあらすじ

少年、増田 輝希(ますだ てるき)は天使に取り憑かれていた。
「ご主人〜」
そう可愛らしい声で彼を呼ぶのは天使のミカ。
薄桃色のショートボブの少女だった。
「増田のマスター」
その隣で不機嫌そうに呟くもうひとりの天使レミ。
小麦色の褐色肌、さらっした黒の長髪を風になびかせていた。
この二人はタイプは違えど共に整った容姿をしており、何も知らない人がみれば羨むような状況だろう。だが、当の本人輝希の顔は浮かない。彼は二人の天使を交互に見て思うのだ。
一体、なんでこんな事になってしまったのかと。

*少年と天使が織りなすラブコメディです。

2011年頃に書いた作品になります。拙い作品ですがよろしくお願い致します。


小説家になろうにも掲載されている、私が昔書いたライトノベルの紹介です。

オリジナル小説ボラ魂あらすじ

私、真木真子は努力が嫌いだ。
禄那(よしな)市立美咲(みさき)高等学校に通う一年生・真木真子(まきまこ)。
毎日をぼんやりと過ごしていた彼女の前に、
ある日突然現れた先輩・椎野実(しいのみのる)。そして彼は戸惑う真子にこう言い放つ。
「ボランティア部に入ってくれ!!」

*ボランティア部を舞台にしたラブコメ作品です。2010年頃に書いた作品になります。
データが残っていたので、せっかくなのでサイトに順次掲載していきたいと思います。
めちゃくちゃ拙いですがよろしくお願いします。

こちらもよろしくお願いします

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