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オリジナル小説 エンジェルゲート第2章ー3

エンジェルゲートサムネ

 輝希から再びチクワへと視線を戻すレミ。頭を押さえて、これは当のレミにしかわからない感覚だが力をコントロールして保留状態を解除する。すると再び会話が通じる状態となり、

「長官お待たせしました。例の少年も今隣にいます」

「……」

 これでまた天界と通話が繋がっているらしい。だが先程と違ってそのチクワからは何の音もしない。

「ねえ、レミ。反応がないよ」

 何かあったんじゃ。そう思ったが彼女は至って冷静な様子で、

「ふむ、あちらの媒体に異常があったみたいだな。もう一度掛け直すか」

 と言って彼女はまた力を送り出す。

「あっちの媒体って?」

「おそらくチクワだ。私は練り物から練り物にしか力を送れない」

「……そうなんだ」

「増田、また馬鹿にしたろ」

「してないよ。考え過ぎだよ」

 そんなやり取りをいくらか続けていると、ふいに媒体となっているチクワから、

「プルルル、プルルル」

「もう完全に電話だな」

 とツッコまずにはいられなかった。

「ジー、ジー」

 不意にコールは鳴り止み次に聞こえてきたのは雑音。耳を澄ますと微かに人らしき声が複数する。すると先程の紳士的な印象の長官は、

「……すまないあまりにもおいしそうだったから」

「長官チクワ食っちゃったよ」

 どうやら通話が遮断された理由はこの長官と言われる男が、レミが最初に力を送ったチクワを食べてしまったのが原因らしい。いきなりこの先の会話が不安になるような事態だった。

「いや昼も食べずに仕事してたから、つい」

「長官、それじゃあミカと一緒ですよ」

 表情にはでないが呆れた様子で呟くレミ。どうやらこの人物はミカとも面識があるようだ。まあレミの上司というならば当然な気もするが。その声は思いの外へこんだ様子で、

「それはやだな……ところで今の声は増田輝希君かな?」

「あ、はいそうです。こんばんは」

 不意に名前を呼ばれて緊張する輝希。しかし通話先の男は特に威圧する雰囲気もなく、逆に申し訳なさそうに、

「うむ、はじめまして。私はレミとミカの所属する地区のエリア長をしている、鈴木という者だ……この度はすまなかったな。奇妙な事に巻き込んでしまって」

 まるで人間みたいな役職で、まるで人間みたいな名前の鈴木さんはそう言い謝罪した。それはこの天使達との奇妙な同棲生活の事をいっているのだろう。しかしこの人が詫びる必要はどこにもない。だってそうなった原因は元はと言えば、

「あ、いえ、元々は僕が不注意で事故にあったのが悪かったわけですし」

という訳だ。あの時に僕が周りを気にしていれば、天使が迎えに来る状況になんてそもそもなっていなかっただろう。だから悪いのは僕の方だ。この人ではない。

「して長官、いったい何が原因だったのでしょうか?」

 話を戻するレミ。この結果次第では二人は元の世界に戻ってしまうのか……。彼は複雑な気分で鈴木の返事を待った。

「ふむ、結論から言うと……どうやら、死亡報告装置が原因だったようだ」

 と告げる鈴木。だがそんなに簡単な事だったのだろうか。そう考えたのはレミも同じらしく、彼女は鈴木の言い回しを察したように、

「長官、それは故障という事とは違うんですよね?」

「話がはやいな。そう、つまり予想外だったのだよ」

「予想外、何がですか?」

「彼、増田君の存在が、だよ」

 と輝希にとっても予想外の事を言い出す鈴木。一体どういう意味なのか、と考えていると、

「レミ君、君は死亡報告装置ーー午離羅がどんな仕組みか知っているかね?」

「いや、さらっと言ったけど何、そんなカーナビみたいな名前なの?」

 ゴリラって。

「増田うるさい。今真面目な話をしている」

「すみません」

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マーティー木下@web漫画家
web漫画家です。 両親が詐欺被害に遭い、全てのお金と職を失いました。 3億円分程の資産を失いました。 借金は800万円程あります。 他に会社に再就職して、 親の老後資金と自分の為に 働きながら漫画を描いております。 どうかお力添えをよろしくお願いします。 拡散などをしていただけると非常にありがたいです。
マーティー木下

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マーティー木下の代表作 自称いけづらの浅間君が主人公の漫画です。
いけづらってなんだろ、いけづらってなに。 自称いけづらの浅間愁と周りが繰り広げるぐだぐたコメディ漫画です。 短いページ数ですので、是非気軽にお読みください。

池面ーいけづらーhttps://mkinoshita-home.com/?p=908


小説家になろうにも掲載されている、私が昔書いたライトノベルの紹介です。
オリジナル小説エンジェルゲートあらすじ

少年、増田 輝希(ますだ てるき)は天使に取り憑かれていた。
「ご主人〜」
そう可愛らしい声で彼を呼ぶのは天使のミカ。
薄桃色のショートボブの少女だった。
「増田のマスター」
その隣で不機嫌そうに呟くもうひとりの天使レミ。
小麦色の褐色肌、さらっした黒の長髪を風になびかせていた。
この二人はタイプは違えど共に整った容姿をしており、何も知らない人がみれば羨むような状況だろう。だが、当の本人輝希の顔は浮かない。彼は二人の天使を交互に見て思うのだ。
一体、なんでこんな事になってしまったのかと。

*少年と天使が織りなすラブコメディです。

2011年頃に書いた作品になります。拙い作品ですがよろしくお願い致します。


小説家になろうにも掲載されている、私が昔書いたライトノベルの紹介です。

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私、真木真子は努力が嫌いだ。
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毎日をぼんやりと過ごしていた彼女の前に、
ある日突然現れた先輩・椎野実(しいのみのる)。そして彼は戸惑う真子にこう言い放つ。
「ボランティア部に入ってくれ!!」

*ボランティア部を舞台にしたラブコメ作品です。2010年頃に書いた作品になります。
データが残っていたので、せっかくなのでサイトに順次掲載していきたいと思います。
めちゃくちゃ拙いですがよろしくお願いします。

https://mkinoshita-home.com/?p=2446
https://mkinoshita-home.com/?p=2975
https://mkinoshita-home.com/?p=3088
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