モジモジしながら俯く真子。すると今まで黙っていた実が机に肘をついて指を組みながら、ものすごく貫禄ある表情で、
「お前等。世間話はその辺にしておくんだな」
「え? どうしてですか?」
「どうやら戦士達が来たようだ」
意味が解らず思案する真子。そこでガラっと扉が開き、
「「「お待たせぇ〜〜!! ヒュ〜〜!」」」
「うおっ!」
大声で教室(設定上はファミレス)に元気よく来店した岡崎達。3人組の事をすっかり忘れていた真子は思わず驚きの声をあげる。岡崎達は初っ端からチャラ男オーラ全開で、
「いや〜メンゴメンゴ。ごめんね〜遅れちゃって〜」
「マジすまねぇすわっ〜〜」
「すまねえしょっ〜〜」
「……」
「……」
「……」
いきなりの疑似合コンスタートに戸惑う真子。チラリと横を見る。どうやらそれは千佳子も同じのようだ。反応に困り苦笑いを浮かべている。真子は次に美子の様子を伺う。彼女は頬杖をつきながら微笑んでいた。特に困っている様子はないが何か言葉を発する様子もない。どうやら真子がどんな演技をするか期待しているようだ。イタズラな笑みを浮かべて横目で真子をみている。いや、どうすればいいのよ。真子がそんな風に思い悩んでいると、
「おいおい真子。これはもう試練なんだぞ。ちゃんと演じろよ」
隣から小声で忠告をする実。真子は実に顔を近づけて同じく小声で、
「いやいや先輩。そうは言ってもこんなの反応に困りますよ」
「はあ、駄目だな真子は。いいか? 美子を見てみろ」
「美子を?」
そう言い二人で美子を見つめる。そこで横目でこちらを見ていた美子と目が合う。意図に気付いた美子は明るい声で岡崎達に向けて、
「ううん。全然待ってないよ〜。私達も今来たトコだし。ね〜?」
そう言い再び真子達を見る。なるほど上手い。すごく自然な返答だ。真子は素直に感心。そしてそれにより千佳子も勝手が分かったらしい。ほんわかした明るい笑顔で、
「あは〜。そうそう。ほら三人とも立ってないで座りなよ〜」
「う、うん。とりあえず座りな、よ」
なんだか二人に比べてスゴくぎこちない真子。だが岡崎達は気にせず、
「おうっ、邪魔するぜっ」
「失礼するっすわ」
「ちょり〜っす」
ちょり〜っすってなんかムカつくよな〜。そう思いながら岡崎が座るのを眺める真子。すると不意に全員が真子を見つめはじめる。