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無料オリジナル小説 ボラ魂2ー2

「お〜〜、ち〜こ。おはよ〜」

 身体を起こし、真子は笑顔で手を振る。

「おはよ〜、真子〜」

 少女ーー水澄みすみ千佳子ちかこは真子に笑みを返す。茶色のふわっとしたロングヘアー。おっとりとした口調。非常に印象の良い少女で真子の高校時代からの親友である。ちなみにかなりの巨乳だ。Fカップ越えは間違いない程の核兵器の持ち主でもある。

「いや〜、ま〜さしの占い一位だったのに朝から不幸でさ〜」

「呼び出し大変だったね〜」

「う〜ん。幸運から逃れられないって言ってたのにな〜」

「あは〜。真子はホントにま〜さ〜し〜好きだねぇ〜〜」

 真子の正面に座り込む千佳子。机に腕を乗せておっとり話し出す。すごく和む光景だった。

 ちなみに千佳子は “ま〜さし”がそこまで好きではない。彼女は生粋のジャ煮ーズファンでカワイイもの好き。あと、おっとりしすぎで、 “ま〜さ〜し”となぜか伸びてしまうのだ。

「いやっ、ほんとっいい歌なんだよっ、卍とか取り上げババアっ、それに亜人サディガン家前の駄菓子屋に、ジャ煮ーズ羨望歌せんぼうか!! どれも最高だよっ」

 ヒートアップする真子。千佳子は苦笑いで、

「う〜ん。私はいいかな〜。ほとんどなに言ってるか解らなかったから〜〜」

 真子は以前、千佳子に“ま〜さし”のCD(1stアルバム、終焉)を貸した事がある。そして、『え? 真子はどこに魅力を感じたの?』と素で言われた。その時は『こんな千佳子の顔は初めて見た』と、当時の真子は思いながら貸したCDを受け取った事があった。真子はその事を思い出しながら苦笑い気味に、

「まあ、ち〜こには合わないかな〜〜」

「う〜ん、ちょっとね〜」

 というか千佳子にデスメタルとか聴いて欲しくないな。と真子は心底思う。まあ、勧めたのは真子自身だが。

「ち〜こはやっぱりジャ煮ーズがピッタシだよね」

「うん〜。ジャ煮ーズはカワイイし歌も好きだよ〜」

 そう言ってにっこり笑顔。それだげで昨日今日の苦労が消し飛ぶかのよう。真子は千佳子の頭を撫でながら、

「ホント和むな〜〜」

「むふ〜〜」

 キンコ〜ン、カンコ〜ン

 そこで鐘が鳴った。授業5分前を告げる音。朝にだけ鳴る真子の幸せ終了の合図だ。

「やばっ、準備しなきゃっ、ち〜こ一時間目ってなんだっけ?」

「うん〜国語だよ〜」

『あはは、ちんこに、うんこってっ! お前はホント下品だなっ』

「なっ!? 先輩!?」

 気付くと実がいた。窓際に寄りかかり話しに加わってくる。

「どうしてここに!?」

「いや〜これ以上は授業に遅れるから、先生が教室戻っていいよって言ってさ〜〜」

「じゃあ自分の教室戻ってくださいよ!?」

「え? いやお前を勧誘しに来たんだよ」

「はぁ〜〜」

 頭痛い。ホント七時間ぐらい説教してくれればいいのに。真子は頭を抱えながら思う。

「ねぇ真子〜この人は〜?」

「あ、そうか。ち〜こは初めてか。なんか私に絡んで来る二年の人〜」

 うんざりするように真子が言う。すると、千佳子は目をキラキラさせ、

「ほぉ〜〜、なんかカワイイ人だね〜〜」

「ほう、野蛮なお前と違って、見所のある子だな。っていうか、お前って友達いたんだな……」

「野蛮は先輩でしょ! あと、千佳子は手芸部だから一緒に帰れないの! 普通に友達いますっ!」

 どうやら友達のいない一人カラオケ女。と、思われてたらしい。なんかショックだ。

「ってか、ち〜こ、別に関わらなくていいからね。ロクな事ないし。席戻りなよっ」

 千佳子の背中を押し、席に戻るよう促す。

「え〜そう? 優しそうな人にみえるよ〜?」

「誰かさんと違っていい子だな! 君なんて名前?」

 千佳子は立ち上がり、実の方を向き、

「水澄 千佳子で〜す。先輩は〜?」

「二年の椎名 実だ! よろしく!」

 手を差し出す実。千佳子はそれを握り返して、

「わぁ〜、手もちっちゃ〜い。カワイ〜」

 そして、モギュ。実を抱きしめた。

「ち〜こ!! 何してんの!?」

「え〜? だってカワイイんだもん」

 と言いさらにハグ。身長差があるため、実の顔はスッポリと千佳子の巨乳に収まっていた。

 その光景を見て、

「おっ、おい! あいつ水澄の秘境を探ってやがるぜ!!」

「ヤッベーー!! ハンパねぇすわっ!!」

「なんてラッキースケベ野郎なんだっ!!」

 岡崎おかざき蓮弥れんや率いるスケベ男子七人ほど(真子曰いわくクズ共)は、発狂に近い奇声を上げた。

「もうっ、いい加減にしなさいっ!!」

 真子は無理矢理に実を引き剥がす。すると放心状態みたいな実が胸から現れた。千佳子はおもちゃを取られた子供のように、

「えぇ〜〜 もうちょっと〜〜」

「だめっ!! カワイイもの好きはいいけど、相手と場所を選んでよね!! 恥ずかしいでしょ!!」

「うぅ〜、はぁ〜い」

 真子に叱られて反省する千佳子。落ち込んだ様子で返事。すると、復活した実は神妙な顔で腕組みをして、

「すごい策略だ……ここに孔明がいるぜ」

「は?」

「無害を装い、近付いたらパクリ。とんでもない作戦だぜ。おかげで勧誘って気分じゃなくなっちまった。ずらかるぜ」

 実は廊下に向けて歩き出す。そして真子達に背を向けたまま、左腕を伸ばし親指を立てて、

「千佳子……ありがとう。真子、また勧誘に来るぜ」

「また来てね〜〜」「いや、意味解んないし、もう来なくていいから」

 千佳子の活躍(?)により真子は勧誘を一時免れた。実は教室を出ていく。背後から岡崎達の、

「ハンパねぇぜ! 何者なんだっ、あいつは!!」

「よ〜し! みんなで、あいつの賞賛を讃えようぜぇ!!〜〜」

『まっかしとけぇ〜〜!!』

『お〜ぱっい! お〜ぱっい! お〜ぱっい! お〜ぱっい! お〜ぱっい! お〜ぱっい! お〜ぱっい!!』

 等の言葉を受けながら、自室へと優雅に駆けていった。

「なんか……もうやだ」

 真子は小さく呟いた。

         ★

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マーティー木下@web漫画家
web漫画家です。 両親が詐欺被害に遭い、全てのお金と職を失いました。 3億円分程の資産を失いました。 借金は800万円程あります。 漫画が好きです。コンビニも好きです。
マーティー木下

この度はこのようなクソ底辺web漫画家のサイトにお越しいただきありがとうございました。
オリジナル漫画は下記リンクから飛べますので是非ごらんください。

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ジャンプルーキー連載ページ
マーティー木下の代表作 自称いけづらの浅間君が主人公の漫画です。
いけづらってなんだろ、いけづらってなに。 自称いけづらの浅間愁と周りが繰り広げるぐだぐたコメディ漫画です。 短いページ数ですので、是非気軽にお読みください。

池面ーいけづらーhttps://mkinoshita-home.com/?p=908


小説家になろうにも掲載されている、私が昔書いたライトノベルの紹介です。
オリジナル小説エンジェルゲートあらすじ

少年、増田 輝希(ますだ てるき)は天使に取り憑かれていた。
「ご主人〜」
そう可愛らしい声で彼を呼ぶのは天使のミカ。
薄桃色のショートボブの少女だった。
「増田のマスター」
その隣で不機嫌そうに呟くもうひとりの天使レミ。
小麦色の褐色肌、さらっした黒の長髪を風になびかせていた。
この二人はタイプは違えど共に整った容姿をしており、何も知らない人がみれば羨むような状況だろう。だが、当の本人輝希の顔は浮かない。彼は二人の天使を交互に見て思うのだ。
一体、なんでこんな事になってしまったのかと。

*少年と天使が織りなすラブコメディです。

2011年頃に書いた作品になります。拙い作品ですがよろしくお願い致します。


小説家になろうにも掲載されている、私が昔書いたライトノベルの紹介です。

オリジナル小説ボラ魂あらすじ

私、真木真子は努力が嫌いだ。
禄那(よしな)市立美咲(みさき)高等学校に通う一年生・真木真子(まきまこ)。
毎日をぼんやりと過ごしていた彼女の前に、
ある日突然現れた先輩・椎野実(しいのみのる)。そして彼は戸惑う真子にこう言い放つ。
「ボランティア部に入ってくれ!!」

*ボランティア部を舞台にしたラブコメ作品です。2010年頃に書いた作品になります。
データが残っていたので、せっかくなのでサイトに順次掲載していきたいと思います。
めちゃくちゃ拙いですがよろしくお願いします。

https://mkinoshita-home.com/?p=2446
https://mkinoshita-home.com/?p=2975
https://mkinoshita-home.com/?p=3088
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