オリジナル小説

オリジナル小説 エンジェルゲート第1章ー14

うん。こんな気持ちでは彼女達を送り出せそうにない。ならばせめて彼女達が困っているのならば助けてやるべきだろう、と彼は考える。

「はあ……仕方ないなぁ。いいよ泊まっていきなよ……何日でもね」

「増田、ありがとう……」

「ありがとうございます増田さん」

 自分自身の意思の弱さに溜め息を吐く輝希。するとその言葉を聞いた途端にパアッと表情を明るくする二人。表情の少ないレミでさえ明らかな感謝を顔に浮かべている。その喜ぶ姿を見ていると、これでよかったのかもしれないと思えてくる。うん、そう思ったのだが、

「何日もは嫌だけど。赤トラみたいし」

「ええ。私も一刻も早く帰りたいですけど」

「よかった。そう言ってもらえるとこっちも後腐れもなくお別れが言えそうだ」

 と彼は強がりを吐いた。だって、おそらくそんな事は出来そうにないのだから。

 とまあ昨日の事故、今日の出来事といい、奇妙な休日が続いてしまった。しかしその奇妙な日々はこれからもおそらく続くのだろう。

 そう、彼女達が彼の側にいるかぎり。ずっと。

 輝希は両手に花、な状況を見て苦笑いをしながら、

「はは……これもある意味天国って言えるのかな」

 なんてさ、自虐的なジョークを声に出しちゃったもんだから、

「おい聞いたか? ミカ。やっぱこの人の家やめるか? なんか気持ち悪い事呟いてるぞ」

「大丈夫ですよ。おそらく増田さんはロリコンです。完全にレミちゃん狙いです。だから私は大丈夫。ぶいっ」

「はは、喧嘩なら買うぞ。私は今帰れなくて気が立っているからな」

 といって静かに怒りを露にするレミ。輝希は思う。いややっぱりこれは天国なんかじゃない。洗濯をはやまったんじゃないか、と。 

 そして彼はこれから始まる生活に対しての不安から、もう一度大きな溜め息をした。

 

 

「で、昼間は二人でーー って聞いてますご主人〜?」

「はいはい、聞いてるって」

 話は戻り三人は東通りを家に向けて絶賛歩行中。そしてその途中今日あった事をキャッキャッと話すミカ。二人は基本的に昼間は自由行動で、彼が帰る頃になるとどこからともなく現れる。というのが日課となっていた。どうやら、初めて会った日に彼女達が輝希から離れる事が出来なかったのは天界に帰ろうとした事が問題らしく、そうでなければこの二人はどこまでも行けるらしい。つまり輝希が死なない限りは天界には帰れないが、逆に下界ならどこへでも自由に移動できるのだ。そして本当に彼女達は毎日自由に暮らしていた。その行動範囲はとても広く市内はすぐに飽きて、県内、県外と活動場所を広めていき、自分が知らないものはなんでも見たいしやりたがる。と毎日人に見えないのをいい事に飛び回っていた。時々、“この人達ホントに帰るつもりあるのか”とも思ってしまうが、それを口に出すと両者から批難を浴びそうなのでやめていた。まあ、とはいえ彼女達に対して“はやく帰れ”と思っている訳ではないのだが。

「なんてこんな事考えてたら駄目だよな〜。蛍にも一緒に住んでる事を黙ったままだし」

 と自分の軟弱な心を嘆く輝希。彼は幼なじみの蛍に彼女達と同棲している事を伝えていない。というより二人の存在を蛍だけには隠そうと決めていたのだ。彼は蛍以外の女子と仲良くするのを後ろめたく感じていた。なのでこんな状態を見られるわけにはいかなかったし、それにだからといってレミとミカに僕の家から出ていてなんて可哀想な事も言えない。よって隠し続ける事が一番と判断したのだ。本当は彼女を騙し続けるなんて事はしたくないのだが、状況が状況だ。仕方がない。と自分に言い聞かせる。

ABOUT ME
マーティー木下@web漫画家
web漫画家です。 両親が詐欺被害に遭い、全てのお金と職を失いました。 3億円分程の資産を失いました。 借金は800万円程あります。 他に会社に再就職して、 親の老後資金と自分の為に 働きながら漫画を描いております。 どうかお力添えをよろしくお願いします。 拡散などをしていただけると非常にありがたいです。
マーティー木下

この度はこのようなクソ底辺web漫画家のサイトにお越しいただきありがとうございました。
日常のつぶやきみたいな記事が多いので気軽に読んでください。

オリジナル漫画は下記リンクから飛べますので是非ごらんください。

マーティー木下の代表作 自称いけづらの浅間君が主人公の漫画です。
いけづらってなんだろ、いけづらってなに。 自称いけづらの浅間愁と周りが繰り広げるぐだぐたコメディ漫画です。 短いページ数ですので、是非気軽にお読みください。

池面ーいけづらーhttps://mkinoshita-home.com/?p=908


小説家になろうにも掲載されている、私が昔書いたライトノベルの紹介です。
オリジナル小説エンジェルゲートあらすじ

少年、増田 輝希(ますだ てるき)は天使に取り憑かれていた。
「ご主人〜」
そう可愛らしい声で彼を呼ぶのは天使のミカ。
薄桃色のショートボブの少女だった。
「増田のマスター」
その隣で不機嫌そうに呟くもうひとりの天使レミ。
小麦色の褐色肌、さらっした黒の長髪を風になびかせていた。
この二人はタイプは違えど共に整った容姿をしており、何も知らない人がみれば羨むような状況だろう。だが、当の本人輝希の顔は浮かない。彼は二人の天使を交互に見て思うのだ。
一体、なんでこんな事になってしまったのかと。

*少年と天使が織りなすラブコメディです。

2011年頃に書いた作品になります。拙い作品ですがよろしくお願い致します。


小説家になろうにも掲載されている、私が昔書いたライトノベルの紹介です。

オリジナル小説ボラ魂あらすじ

私、真木真子は努力が嫌いだ。
禄那(よしな)市立美咲(みさき)高等学校に通う一年生・真木真子(まきまこ)。
毎日をぼんやりと過ごしていた彼女の前に、
ある日突然現れた先輩・椎野実(しいのみのる)。そして彼は戸惑う真子にこう言い放つ。
「ボランティア部に入ってくれ!!」

*ボランティア部を舞台にしたラブコメ作品です。2010年頃に書いた作品になります。
データが残っていたので、せっかくなのでサイトに順次掲載していきたいと思います。
めちゃくちゃ拙いですがよろしくお願いします。

こちらもよろしくお願いします

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です